
直接応募と転職エージェント内定をもらえるのはどっち?メリットとデメリットをご紹介
2020/11/27転職活動で企業の求人に応募する方法は、転職サイトや企業サイトからの直接応募、転職エージェント経由での応募などさまざまな方法があります。
より転職に有利になる応募方法を選びたいと思っていても、自分にはどれが合っているのかわからないという人も多くいるのではないでしょうか。
実際にネットでは、転職エージェントを利用するより、直接応募する方が有利という噂も見かけます。では、それらの噂は本当なのでしょうか。
この記事では、直接応募と転職エージェントの違いや、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。
直接応募と転職エージェントの応募の違いって?
あなたは入社を希望する企業に応募するとき、「直接応募」と「転職エージェント」どちらを利用していますか。
「そもそも直接応募ってどういうこと?」という人のために、まずは応募方法の違いからご説明します。
直接応募って?
直接応募とは、入社を希望する企業の採用ページから応募したり、企業の採用担当者に自分でコンタクトを取って、応募書類を送ったりすることをいいます。
転職エージェントやスカウトを通さず、自らが企業とやりとりをして、面接日や入社日、給与などの交渉も行います。
転職エージェントやスカウトの意見に左右されたくない、返事を急かされたくないなどの理由から、「直接応募」を選ぶという人もいます。
転職エージェントと直接応募、転職するならどっち?
以下の図は、転職サイトdodaが「あなたが転職するとしたら、転職活動はどのように行いますか?」というアンケート結果を表したものです。
「情報サイト等を使って自分だけで活動する」34.1%、「情報サイト等で自分で活動しながら転職エージェントやヘッドハンターとも活動する」18.9%、「転職エージェントやヘッドハンターと一緒に活動する」16.1%、友人や知り合いの紹介で活動する」13.8%という結果が出ています。
このアンケートからわかることは、全体の47.9%が転職エージェントやスカウトを利用しないで活動したいと思っているということです。
転職エージェントやスカウトを利用しない人の意見としては、次のようなものがあげられます。
“急かされたり、たくさん情報が入ってくると、分からなくなる。自分のペースで管理して、自分に正直に選んでいくのが、良い結果につながると思う(大阪 34歳 男性)”
“友人の紹介なら、そこで働く実際の人や仕事、組織の本質が見える。そういった情報を得ないと自分に合っているか分からないと思う(愛知 29歳 男性)”
一方、転職エージェントやスカウトを利用する人は次のように考えています。
“雇用条件の交渉を代行してくれたり、エージェントは非常に心強い味方になってくれる。自分一人だとどうしても、条件の精査ができなかったり、交渉のあんばいも難しかったり不安なので、エージェントは必要だと思う(大阪 26歳 男性)”
“欲しい情報は自分でも集めつつ、エージェントを利用することで模擬面接など一人ではできない準備を行うことができる(神奈川 41歳 男性)”
転職エージェントやスカウトを利用しないという人は、「自分のペースで進めたい」「自分で情報を集めたい」と自分の希望に合った求人を自身で探したいと考えていることがわかります。
それに対して、転職エージェントを利用したいと答えた人は、条件交渉や選考準備などを1人で行うよりもプロを頼る方がスムーズだと考えているようです。
転職エージェントを活用する場合は、登録さえ済ませればあとはエージェントにサポートしてもらいながら応募を進めればいいですが、直接応募はどのように応募をすればいいのでしょうか。直接応募の代表的な2つの方法も併せてみていきましょう。
直接応募の2つ方法
直接応募の場合は、主に2つの方法があります。
・転職サイトを使う
転職サイトに自分の情報を登録して、求人を募集している企業にエントリーします。求人を掲載する期間が決まっていることがありますので、応募を逃すことのないよう注意が必要です。
また、採用人数に達した時点で募集を終了することがありますので、自分の希望とマッチする求人が見つかったら早めの応募を心がけましょう。
・企業サイトの採用ページから応募する
転職サイトや転職エージェントを利用している企業でも、企業の採用ページに求人を掲載していることがあります。
「どの企業に入社したいか」が明確に決まっている人は、希望する企業が中途採用を募集するタイミングで、企業サイトの採用ページから募集要項に沿って応募します。
「自分の希望に合った企業を自分の手で探したい」と思っている人は、直接応募が向いているかもしれません。しかし、転職活動が長期化すると「転職しなければよかった」「転職先が決まらないのでは?」と後悔したり、ものごとをマイナスに考えたりしてしまう原因となります。直接応募も転職エージェントも、どちらにもメリットとデメリットがありますので、転職エージェントは利用しない」「直接応募は不利」と決めつけず、自分の志向や希望に合った転職活動の方法を検討しましょう。
次の項目では、直接応募のメリットとデメリットについてご紹介します。
直接応募のメリット・デメリット
転職サイトや企業の採用ページから、自分で求人に応募する「直接応募」。「転職エージェントを通して応募するより、採用に有利」という説もあります。
では、直接応募で採否の結果が変わるというのは本当なのでしょうか。ここでは、直接応募のメリット・デメリットについてご紹介します。
直接応募のメリット
直接応募することで得られるメリットは、主に次の3つです。
・入社への熱意が伝わりやすい
転職エージェントを通さずに企業サイトから応募するということは、「以前からその企業に入社したいと思っていたから、採用ページをチェックしていた」ということになります。
転職エージェントの紹介によって偶然その企業を知ったのではなく、わざわざ企業のサイトで求人の確認をしていたことになりますので、企業側に「入社したい」という熱意がストレートに届きます。
自分の強い意志で応募したと受け取られるため、採用担当者には好印象を与えるでしょう。
・企業の採用コスト削減につながる
転職エージェントから人材を紹介してもらい採用が決まった場合、企業側は転職エージェントに報酬を支払う仕組みとなっています。
その報酬は、採用した人の推定年収額の3割と言われています。直接応募してきた人を採用した場合は、コストが発生しませんので、企業側のコスト削減につながります。
スキルやキャリアが同程度の応募者がいれば、直接応募の人を採用する可能性が高くなります。
・キャリアや学歴で足切りに合わない
転職エージェントは、求職者のスキルやキャリアを見て、企業に売り込みやすい人を中心にサポートします。
キャリアや経験、学歴などで足切りが行われているため、希望の企業に応募できないこともあります。
しかし、直接応募は自分自身が「入社したいかどうか」だけで応募できるので、入社したいと思う企業には確実に応募書類を送ることができます。
また、「どうしても入社したい」と思う企業があれば、たとえ採用にならなくても、半年や1年スキルを積んで再チャレンジすることもできるでしょう。
直接応募のデメリット
・採用される確率が低い
直接応募の場合は、応募書類の添削や面接対策など、すべて自分自身で行わなければなりません。
また、転職エージェントの場合は推薦状を書いてもらえますが、直接応募は自分で魅力をアピールしなければなりません。多くの応募者がいる中では、採用される確率が低くなることがデメリットです。
・求人内容の詳細がわからない
企業の採用ページから知り得る情報はそれほど多くはありません。給与や休日、職種についても一般的な記載しかなく、業務内容についても詳しく記載している企業は少ないでしょう。
そのため、どんな業務内容で給与はどれくらいか、勤務地はどこかなどの詳細が分かりにくく、入社後に「自分が思っていた仕事ではなかった」と後悔する可能性があります。
・スケジュール管理が難しい
複数の企業に直接応募している場合、企業側とのスケジュール調整が難しくなります。
転職エージェントを通して応募する場合は、選考スケジュールや入社日などを自分で調整する必要はありませんが、直接応募の場合は自分で交渉し、進捗管理や日程などを管理しなくてはなりません。
企業から内定の連絡をもらっても回答を迫られるため、各社を比較して決定するということも難しくなるでしょう。
直接応募はすべて自分自身でハンドリングできることがメリットですが、複数の企業に応募する場合は、そこがデメリットになります。
「この企業に応募したい!」という企業が1社決まっていれば直接応募がおすすめですが、「転職先を早く決めたい」「複数の企業から自分に合った企業を見つけたい」という場合は、転職エージェントの利用を検討してもいいかもしれません。
次の項目では転職エージェントのメリット・デメリットについてもご紹介しましょう。
転職エージェントのメリット・デメリット
たくさんの企業の求人情報を取り扱っているうえ、無料で転職のサポートまでしてくれる転職エージェント。しかし、転職エージェントの利用はメリットだけではなく、デメリットがあることも事実。ここでは、転職エージェントのメリットとデメリットについてみていきましょう。
転職エージェントのメリット
・転職活動をサポートしてくれる
転職エージェントを利用するメリットは、応募書類の添削やスケジュール調整、就業条件の交渉など、転職活動中のさまざまなサポートが受けられることです。
転職エージェントを利用することにより、活動中の負担軽減にもつながります。その分、複数の企業へ応募できるため、効率の良い転職活動が実現できます。
・非公開求人への応募も可能
転職エージェントには、一般公開していない非公開求人があります。非公開求人は、その求人情報を持っている転職エージェントに登録している人だけが、閲覧・応募できるようになっています。
転職サイトや企業の採用ページには掲載されていない求人、大手企業の求人、好条件案件などに応募できることも、転職エージェントの強みです。
・希望にマッチした企業へ応募できる
転職エージェントは、自己分析やキャリアカウンセリングなどを行った上で、客観的なアドバイスをくれます。
そのため、より自分の希望にマッチした企業へ応募できるでしょう。また、第三者の視点で転職活動をサポートしてくれるのもメリットのひとつ。
転職エージェントにすすめられて「自分ではキャリア不足で応募できないと思っていた企業に採用された」ということもめずらしくありません。自分の新しい強みを発見するのにも役立てることができます。
転職エージェントのデメリット
・足切りに合うことも
転職エージェントは紹介した人材の入社が決定したら、企業側から報酬を受け取るシステムになっています。
そのため、企業側が求めるスキルや経験を持っている人を優先的にサポートします。キャリアやスキルの乏しい人は、転職できる可能性が低いため、足切りに合うこともあるでしょう。
キャリアカウンセリングで「もう少し経験を積んでから来てください」と言われることもあります。
・無理に転職をすすめられることがある
転職エージェントは企業に人材を紹介することで利益が出ていますので、自分が希望していない企業にも入社するよう誘導される点がデメリットとして考えられます。
また、あなたを担当するエージェントがノルマを達成できていないときには、無理やりに転職をすすめられることもあるでしょう。
担当のエージェントは、あなたをどうすれば転職させられるか常に考えていることを覚えておきましょう。
直接応募でのデメリットと感じることは、転職エージェントではメリットとなります。
「スケジュール管理をしてくれる」「より自分の希望にマッチした求人に応募できる」などは、転職を成功させるためには不可欠ですので、上手に転職エージェントを活用したいもの。
誤った転職をしないためにも、メリットとデメリットをしっかり理解し、転職活動に活かすようにしましょう。
直接応募がおすすめの人の特徴
中途採用を募集している求人の中には、転職エージェントを経由するより、直接応募する方が有利になる場合があります。
では、直接応募をおすすめするのはどんな場合なのでしょうか。ここでは、直接応募がおすすめの人についてご紹介します。
これまで経験のない職種に転職をしたい人
これまで培ってきた経験やスキルが活かせない業種へ転職を希望している人は、転職エージェントよりも直接応募がおすすめです。
それは、転職エージェントにサポートをお願いしても断られることがあるからです。
転職エージェントは、これまでのキャリアやスキル、経験をもとに、あなたの市場価値を判断して転職活動をサポートしてくれますが、未経験の職種に転職するのはハードルが高く、時間や労力がかかる割には、成功率が低くなりがちです。
転職エージェントの利益につながりにくいため、積極的なサポートは受けられないでしょう。
中途採用に転職エージェントを利用していない企業に就職を希望する人
あなたが転職を希望するすべての企業が、必ずしも転職エージェントを利用しているとは限りません。
特に、NPOやNGO、学校法人、ベンチャー企業、総合商社などは転職エージェントを使っていない場合がほとんどです。
転職エージェントを使っていない企業には、直接応募するしか方法がありませんので、企業の採用ページから応募するようにします。
毎回大量採用をしている企業への転職を希望する人
離職率が高く、毎回たくさんの人材を採用している企業には、直接応募がおすすめです。
それは、採用数が多くなればなるほど、転職エージェントを通して採用すると高額なコストが必要となるからです。
企業側はできるだけ採用にかかる費用を抑えたいと考えていますので、直接応募が有利となります。
まとめ
転職エージェントを利用した場合と直接応募した場合、どちらが内定を取りやすいかは、状況によって違います。転職エージェントを利用していない企業や、定期的に大量採用を実施している企業の場合は直接応募が有利となりますが、一般的には業界や職種、あなたの能力によっても左右されるため、一概に「直接応募が有利」「転職エージェント経由がおすすめ」とは言い切れません。
あなたのキャリアやスキル、応募する企業によって、どの方法でアピールするかは異なりますが、どんな状況にも対応できるように転職エージェントへの登録をしておいた方が総合的に有利となるでしょう。転職エージェント、直接応募それぞれのメリット・デメリットを理解し、あなたにとってより良い転職にするためにも、選択肢はひとつでも多く持っておきましょう。